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1965年NY生まれ。3歳より緑豊かな東京郊外で育った水上えりかは、小さい頃から、花や昆虫など1つのモチーフを繰り返し描くことが好きだった。

6歳で始めたピアノは、いつしか楽曲の旋律や躍動感が、光の色彩と優美な曲線のイマジネーションに変わり、彼女の心の世界を豊かにした。水上にとって音楽は、光の映像が楽しめる最も安全な秘密の空間をもたらした。

90年代ロンドンにピアノ留学中、個性的で自由な表現をするストリートアーティスト達に感化される一方で、彼女は、独創性のない自分に疑問と閉塞感を感じ始めた。

2005年よりNYで暮らす。2007年 自己催眠と出会い、表現への恐れから解放される。その後、数ヶ月の間毎晩、万華鏡のような光の神秘体験をする。その時の様子を水上は、「周りの状態は完全に把握していたが、あらゆる感情と思考から完全に切り離された、あるがままを受け入れるだけの超自然の体験だった。」と語る。

ある時、この光景は、鑑賞する人々の心をも解放できると確信、絵の制作を始める。幼稚園で習ったスクラッチ画法で描かれている作品のテーマは、個が織りなす全体像である。これらの作品は、実際に見た光の映像を模写しているのではなく、構図ゼロから始まる。手の描くままに任せているため、完成まで出来上がりがわからないのは彼女にとっても醍醐味である。

 

最近は、子供のような純粋な世界をテーマにしたイラストの制作も始めている。

作品を発表する度に、「作品を丹念に見る人々の姿や、新たな発想や進展性との出会いが嬉しく、制作開始から全てのプロセスがギフトである。」と水上は言う。

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